犬はもともと噛まないというけれど、ドッグフードを噛むことで歯が健康になったり、顎の力が強くなるのではないの?
という疑問が湧いてきます。

人間は噛むことで顎が鍛えられるといいますしね・・。
√ドッグフードを噛まないと歯に良くないの?
√顎の力にも影響する?
ドッグフードを噛まないわんちゃんを持つ飼い主さんが不安に感じることについて調べてみました。
噛まない、丸呑み早食いの愛犬がいらっしゃる飼い主さんは、ぜひ参考にされてください。
ドッグフードを噛まないのは歯に良くない?
犬の歯や顎は、噛むことに適したつくりではありません。
では、犬の歯がどのようなつくりになっているのかを見てみましょう。
犬の歯はこうなっている
⚫︎犬歯(牙)
獲物を捕らえたり、引き裂いたり、潰すためのもの。
⚫︎前歯(切歯)
獲物を捕らえたり、噛んだり、噛み切るためのもの。
⚫︎奥歯(裂肉歯)
引き裂いた肉を飲み込めるよう切断する役割を果たすもの。
犬の歯は、
√獲物を獲る
√肉を飲み込める大きさにちぎる
野生では、敵から身を守るために適した作りにできています。

人間のように咀嚼して食べ物を食べる役割として作られていないんですよね。
ドッグフードを噛まない
犬の歯を考えても、ドッグフードを噛まないのは不思議なことではないんですよね。
しかし、ドッグフードの商品説明を見ると、以下のようなアピールポイントを見かけるのです。
健康な歯
歯ごたえのある粒で、歯垢と歯石が蓄積されにくいように配慮。
噛むことで歯の健康も維持するほぐし粒入り。
噛むことを前提としたドッグフードポイントですよね。
ドッグフードを噛むことで、歯垢や歯石がつきにくかったり、歯の健康が維持できる。
ということは、噛まずに飲み込む子は歯の健康が維持しにくくなるのでは?
という疑問が湧きます。

やはりドッグフードを噛まない子は歯に良くないのかな?
歯に良くない?
では、ドッグフードの製造方法を考えてみましょう!
ドッグフードは初めから固形のドライフードになっているわけではありません。
・原材料を混ぜ、一度粉末にする
・粉末を熱で固め乾燥させる(製造方法が異なる場合もある)
よって、ドッグフードを噛んだ場合、粉末が砕け小さなカスが口の中に飛び散ることになります。
ドッグフードを噛んでも、同じように歯垢や歯石がつくことは十分考えられることです。
むしろ、飲み込む方がカスの飛び散りは少ないと言えますよね。
▶︎ 早食いで飲み込むわんちゃんは、他のリスクもありますよ!
ドッグフードを噛んでも、噛まなくても、「歯」そのもののリスクは変わらないということです。
わんちゃんの口内は「アルカリ性」

人間の口内は弱酸性ですよ!
アルカリ性の口内では、虫歯菌は発生しにくいと言われています。
なので、わんちゃんの虫歯ってあまり聞いたことがありませんよね?
代わりにアルカリ性の口内では、歯周病菌が繁殖しやすいのです。
歯周病の症状としては、
⚫︎歯茎の腫れ
⚫︎歯茎の痛み
⚫︎歯茎からの出血
⚫︎歯のぐらつき
など。
わんちゃんは虫歯にはならない代わりに、歯周病の危険がありますので重症化しないためにも飼い主さんが口腔ケアを行ってあげることが大切です。
ドッグフードを噛まないのは歯に良くない?の結論として、
ドッグフードを噛まないことは歯の作りを考えても当然のことで、噛まないことが歯に直接影響を与えることはありません。
ただし、わんちゃんの口内は歯周病菌を繁殖しやすい環境です。
歯垢の中の細菌が原因となるので、ドッグフードに限らず食べ物を食べた後は十分に口腔ケアをすることが大切です。
顎の力にも影響する?
ドッグフードが歯へ直接的な影響がないことはわかりました。
でも、噛まないとなると顎の力に影響するのでは?という不安があります。
わんちゃんの噛む力は凄まじいものがありますよね。
噛む力がどのくらいあるのかというと、
⚫︎小型犬(10kg未満):約100kg
⚫︎中型犬(11~25kg未満):約100~160kg
⚫︎大型犬(25kg以上):約160kg以上
ちなみに、人間の噛む力は20~30歳男性で、平均59kgほどだそうです。

どうりでおもちゃが一瞬にして壊れるはず!
わんちゃんの凄まじい顎の力も、もともと野生で狩りをしていたからです。
獲物捕らえ、歯で食いちぎって食べる生活をしていたからなんですね。
野生で生き延びるために必要な力でした。
家庭で飼われているわんちゃんは、狩りをする必要がないため、これだけの噛む力は必要ないと言えばそうかも知れませんね。
ただ、ドッグフードを噛まないことで顎の力が弱っていくのだとすれば申し訳ない気もしますよね・・。
わんちゃんは人間と違い、カリカリ噛むことで顎の力がつくわけではありません。
野生の動物を考えても、よく噛むことで顎の力が発達しているわけではないですよね。

生肉を引きちぎって飲み込むわけですから。
ドッグフードを噛まなくても、
ドッグフードをふやかしても、
ウェットフードを与えても、
手作り食を与えても、
その食事が原因で顎の力が弱くなることはありません。
老犬になると顎の力は弱くなる
とはいえ、老犬になると人間と同じように様々な筋肉が衰えていきます。
顎の筋力も衰えますので、噛む力が弱くなることは十分考えられます。
さらに上記でお伝えした歯周病が進めば、噛むことで歯や歯茎に痛みを与えるため、ますます噛むことを嫌がり、顎の力が衰えていくことも考えられます。

歯周病が進むとご飯そのものを嫌がることもありますよ!
顎の力が弱くなったなと感じた時は、
⚫︎ドッグフードを小粒に変える
⚫︎ドッグフードをふやかす
⚫︎ウェットフードに切り替える
など、わんちゃんが食べやすい対策を考えてあげてください。
それでも、ご飯を食べない時には歯周病の進行なども考えられますので、専門医を受診されることをおすすめします!

元気に過ごすためにもご飯を食べてもらわなければいけませんからね!
ドッグフードを噛まないわんちゃんには
ドッグフードを噛まなくても、歯に良くないとか顎の力に影響することはありません。
ただ、ドライフードは原材料の水分を極限まで抜いて固めるため、水分が10%ほどしか含まれていません。
保存に適するためにはこの水分量でなければいけないのです!
実は、水分が少ないドライフードを噛まずに早食いで呑み込んでしまうことにもリスクがあるんですよね。
▶︎ ドッグフードを噛まずに早食いするわんちゃんは問題あり?!良い方法は?
我が家の愛犬は、大型犬用の大粒ドライフードをわずか34秒ほどで食べていました。
もちろん、丸呑みです。
シニア世代に差し掛かりリスクへの不安を感じたため、これから先のご飯の食べ方について研究してた結果、以下の食べ方が効果的でした。
小粒ドライフードに変える
大型だから「大粒」という固定観念があったのですが、そうではなく早食い丸呑みだからこそ、小粒ドライフードの方が効果的に食べられたのです。
喉に詰まらせるリスクも減るし、なぜか小粒の方が時折カリカリと噛んで食べるんですよね。
当然、食べるスピードも緩やかになるのでリスク解消になりました。
ドッグフードを噛まない、早食いのわんちゃんには、ドッグフードの大きさ見直し、またはウェットフードへの切り替えも有効だと思います。
ドッグフードを水に浸す
人間的思考では「ええーっ?!」と思ってしまいますが、実はわんちゃんの食欲をそそる与え方です。
水分を加えることで旨味が溶け出し風味が増すので、匂いに敏感なわんちゃんは飛びつくのです。
食欲をそそるだけではなく、水を加えことでドッグフードの喉越しが良くなるので、早食い飲み込みのリスクが軽減されるんですね。
もちろん、食べるスピードも格段緩やかになります。
▶︎ ドッグフードを水に浸すとどんな効果がある?犬の反応はどうなの?
ドッグフードを噛まずに丸呑みしてしまうわんちゃんには、実際に試した結果このような食べ方がおすすめですよ。
▶︎ 早食いの愛犬に効果的な食べ方を試してみた結果〜おすすめの食事方法は?
上記2種はすぐにできる方法ですので、ぜひ試してみてくださいね。
もちろん、歯に良くない、顎の力に影響するという心配は不要です。
ドッグフードを噛まないのは歯に良くない?まとめ
⚫︎犬は咀嚼する動物ではない
⚫︎犬は食いちぎったものを飲み込む
⚫︎ドッグフードも基本飲み込む
⚫︎噛まないことが歯を弱くするわけではない
⚫︎噛まないことで顎の力が弱くなるわけでもない
ということがわかっていただけたかと思います。
「歯」に関して気をつけることは、噛まないことのリスクよりも歯周病発症です。
噛んでも、噛まなくても、わんちゃんのお口ケアはしっかりとされてくださいね!
この記事が飼い主さんのお役に立てれば嬉しいです。
ドッグフードを噛まないのは歯に良くない?顎の力にも影響する?を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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